あの日に見えた背中は、越えているか。
青空のカーペットの上を走りながら過ごす日々が、
今は、スクリーンを観るように見上げている
いつの間にか、すれ違った
茶色の学生たちは、
手帳の予定の一部になり、
あの日のカレンダーは違う誰かと過ごしている
僕は、靴底がすり減らないよう
雑居ビルのトンネルを抜け、
設計図とは違うプラモデル達と一緒に、終わらないドラマの脇役を演じる毎日さ
いつか思い描いた背中は、越えているか。
誰かが探すこの古着に聞いてみよう。
水族館の魚達は、お辞儀をしながら
海に帰り、アクリルの鏡を懐かしむ
気がつけば、明日の予報に相談し、
赤と青のマークがシワを寄せて緑のベンチに座っている
いつかを過ごした抜け道は、
違う誰かと四季を感じて歩いている
あの日、一緒に笑った背中は、越えているか?
真っ黒な夜は、真っ赤な太陽の光になるんだ。
あの日のあの朝の
あの時間のあの夜の
いつか過ごした背中は、超えているか。